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拝啓
森の花畑の守人様 6月後半に入り、雨が降り始めました。天気予報では、中国地方も10日以上前に梅雨に入ったと聞いていましたが、日差しの強い、気温の高い日が続き、庭も畑もからからで、山水も少なくなっていたのですが、雨は突然降り始めました。 じっと耐えていた植物達は息を吹き返し、草花や野菜の新葉や花芽が伸び始めました。家の西側の庭では、ドクダミの白い花が満開です。イタリアン・パセリの黄緑色やラベンダーの薄紫、サルビア・ガラニチカの濃紫やセント・ジョンズ・ワートの黄色、コモンタイムの薄桃色、と様々な色の花が一斉に開こうとしています。 ![]() 家の南側の畑の縁では、山の道際に咲いていたものを移植した、ウツボ草が満開です。その花の下では、去年植えたブラックベリーがまだ黄緑色ですが、たくさん実をつけています。 静かに雨に濡れて、草も花も、頭を下に垂れています。来週も、雨が続くそうです。局所的な大雨による各地での被害のこともお聞きしています。私達家族が感じる範囲ででも気候の振り幅がとても大きくなっていると、そのように話しています。 ![]() 前回、お話した、庭や畑での落ち葉や刈草でのマルチは、気温がそれほど低くなければ、雨が 直接土を叩き、腐植部分が流れるのを防ぐ効果ももっていると思っています。 そして、植物を健康に育てるために、もう一つ大切だと考えはじめたことが、苗づくりです。 アルバート・ハワード先生の『ハワードの有機農業 下』で次のように記述しています。 ・有機園芸に新たに転換するば場合、どういうことから始めれば成果を収めることができるであろうか。その第一歩は苗床の肥沃度を高めることに努力を注ぐことである。・・・苗の素質を左右する種子は、堆肥を施用した作物から採集したものがよい。土壌が肥沃であれば、種子は蓄電池のように栄養を蓄えている。つぎに打つ手は、そのような種子を腐植の豊かな土壌に播くことである。そうすれば、移植後の苗は確実にすくすくと生長する。・・・花卉栽培のばあいにも、堆肥の供給が限定されている際には、少量でもよいから苗を植える場所に、あるいは生長中の作物の根の周囲に施すとよい。(pp43-44) たしかに、思い当たる節があります。農家さんがご自分の農地で育てるために育てた苗(近くの直売所で販売しています)は、ホームセンターで購入した苗や野菜用の培養土で作った苗より、病気にかかりにくく、根張りがよく、樹がしっかりしているように思うのです。 そこで、種採りまでには至っていませんが、できることからと、去年から、コンポストで作った完熟堆肥と畑の土(あるいは山の土)を半々に混ぜ合わせて、培養土をつくり、そこに播種して苗を作ることを試みはじめています。そして、かみさんと話しているのですが、総じて言えば、かなり、市販の苗や野菜用培養土で育てた苗より、強いと思うのです。特徴を幾つか書いてみます。 ・ポットの中での根の量が多い。地上部はそんなに変わらなくても、しっかり根がはっているので、移植をするとき根崩れが起きません。 ・定植後の活着力がいい。茎や葉がしゃんとしており、定植後、根元に堆肥と草でマルチしているのもあるでしょうが、日照りでしおれることもないし、堆肥培養土利用前はよくあったのですが、狙ったように虫に食われることもあまりありません。 ・悪気象への耐性がある。特に、気温が低いときや、日照りや雨が続くなど、気象条件が悪い場合、市販の苗や培養土で育てた苗は生長が止まったり、萎れたり、徒長したりするのですが、堆肥培養土で育てたものは、その場合でも比較的安定して生長していると思います。 ・晩秋まで収穫できる。若干、生りはじめるのが遅いのですが、夏野菜の場合は、秋のかなり遅い時期まで、ナスやトマトは実をつけているように思います。 育苗ポットの中の毛細根の量から考えるに、堆肥培養土の場合、植物が種から発根を開始した段階から、腐植の豊富にある土の中で、毛細根と微生物、菌類の共生関係(圏)が形成されるのだと思います。市販の野菜培養土は、腐植(堆肥)の代わりに化学肥料が入っていると思いますし、市販の苗は、その野菜培養土を使って作られているものも多いのではないかと思います。そのせいか、育苗ポットの中の根の量はそれほど多くなく、植えかえるときに、土も崩れやすいのです。 また、堆肥培養土で育てられた苗は、定植された後、上から枯草や落ち葉でマルチされます。そうすると、定植後も微生物や菌類に必要な湿度が保たれ、かつ枯草や枯葉は腐植して、こえらの食べ物になり、そこに野菜の毛細根が広がってゆく。この腐植と微生物、菌との最初の関係性が、市販の苗と堆肥培養土で育てた苗の、定植後の生長の違いを生じさせているのではないか、そう考えています。 それと、堆肥については、私達は、コンポストでほぼ半年かけて完熟させたものを使っています。しかし、市販の堆肥は、少し調べてみますと、未完熟のものもかなりあるようです。そうれであれば、苗の生長や植物の生長に対して、完熟堆肥とは、まったく別の影響を及ぼすはずです。このことについては、もう少し調べて、まとめてみたいと思います。 今年は、リーフレタス、アスパラ菜、空芯菜などの野菜の苗、ラベンダー、ストロベリーフィールド、ルピナスなどの花の苗、ルバーブなどのハーブの苗を作ってみています。晩秋からレタス、キャベツ、白菜などにも挑戦してみたいと思います。 育ててみると発見することがあります。ラベンダーの苗はまだまだ小さいのですが、指で触ると、ふわっと、あのラベンダーの花の香りがするのです。 ![]() 先日、知人から30年間、堆肥だけて育ててこられたという香川の農家さんのネギの苗を分けて頂きました。まだ、化学肥料、化学合成農薬全盛の時代に、無農薬で堆肥だけでネギを作り、種を摂り、広く惜しみなく苗をお分けして下さっている農家さん。私の畑でも、苗を育て、種も摂ってみたいと思います。 ![]() さて、このところ、着手できずにいた、梁瀬義亮先生の『生命の医と生命の農を求めて』について、改めて、まとめる作業にとりかかりたいと思います。梁瀬先生と仲間の方達が、山を切り開き共同農場をつくり、全国に先駆けて共同販売所を開かれたのも、まさに化学肥料、化学合成農薬全盛の高度経済成長時代です。 ~日本の農薬、化学肥料、農機具産業の韓国への延伸、そして韓国からの訪問者~ ・昭和四十九年初秋の或る日、私は韓国からの訪問者を迎えた。・・・ ・「私は今から十一年前、貴方の講演の速記をよみました。そして韓国の農業が日本と同じ道を歩んでいることに気づいたのです。日本の農業、化学肥料、農機具産業の力がそのまま韓国に延びてきているのです。私は或る会社でかなり良い地位にいたのですが、決心してその職をやめ、農場を拓いて無農薬の有機農法を始めました。そして今、良い成績をあげています。韓国では今、化学肥料と農薬で土が弱ってしまって、大切な「にんにく」は植えた半分が腐ってしまいます。私のところでは少しも腐りません。・・・ ・私は心からよろこんで、この遠来の友を慈光農場へ案内した。・・・有機農法について、土つくり、病害虫発生の意味、混植果樹園の原理、不整地のままの植樹、古だたみや古綿などの利用等々を説明しながら、私達は農場を廻った。 「すばらしい樹勢ですね」と彼は感嘆の声をあげた。 ・この桃は元気で病害虫が少ないでしょう。しかし昨年は、この一本だけがバイラス病になって葉にたくさん瘤が出来たのです。又、あの一本の桃はアブラムシが発生して葉が巻いてしまいました。普通こんな時はすぐ殺菌剤や殺虫剤を散布するでしょう。菌が悪い、虫が悪いというふうに考えますね。しかし『生命の農法』ではそう考えないのです。『何か悪い条件で木の生命力が弱っているな。原因は何だろう』、こんなふうに考えるのです。 ・私はこの二本の桃をよくしらべてみました。そして気づいたのです。この二本の桃を植えた場所は土が極めて薄くて一〇センチくらいしかなく、その下は柔らかくなった岩、いわゆる『岩ぐさり』であったことを。とても痩せた土だったのです。そこで私は、根元をはなれて、やや遠くを保って、そこへ十分に好気性完熟堆肥を施し、古だたみをたくさん置きました。又、海藻のエキスの溶液を葉面散布してミネラル補給を行いました。本年は樹の生命力が旺盛になったとみえて、病害虫がうんと少ないのです。 ・南斜面のあるところへ来た時、私は二本の元気のいい桃を指さして言った。 「この二本は、三年前に同じ種類のほぼ同じ大きさの苗を植えたのです。そして同じように根元へ古だたみを置いてやりました。ただ左の方(A)は日当たり、風通しが良いのですが、右の方(B)は松林で少し日当りが悪く、通風もよくなかったのです。これがどうなるかを観察していました。(A)の桃はすくすく中害もなく生長しました。(B)は虫がつくし、病気が出るし、散々です。 今年の二月、(B)を邪魔している松林を切り払いました。すると今年は(B)に全然中害も病気も出ません。大切なことは殺虫剤や殺菌剤ではなくて日当りと通風だったのです。これで土地が同じでも、日光、通風の状態で、どれほど植物の生命力が影響されるかを知りました。 ・やがで蔬菜園に来た。キャベツが見事に出来ていた。 「このキャベツですがね。開墾したての土にキャベツを栽培するのは無理だと兼々聞いていたのですが、一つ実験的にやってみようと、カブトムシの飼育後の木屑と糞の混合物(完熟堆肥になっている)を十0アール当り十0トン、それに石灰を十0袋とカキ殻の粉を二〇袋入れて耕し、キャベツを植えました。更に株間に一握りずつ油カスを置きました。 ・・・・丁度その頃、私達の地方はどこでもここでもキャベツにアブラムシが大発生し、枯れてしまう例も大変多かったのです。私たちの農場のキャベツにもアブラムシが大発生しました。私たちはそのまま放置して観察を続けました。天敵のナナホシテントウがたくさん集まってきて、盛んにアブラムシを食べている。かと思うと害虫の青虫がたくさん現れて盛んに葉を食べている。カメ虫も葉を食べる・・・。 さあどうなるか、と半ば諦めながら見ていました。そのキャベツが実に見事に結球したのです。但し、一〇%くらいは大きくならずに終わりましたが。 こんな土でも、しっかり完熟堆肥を入れれば、害虫の大発生の年ですら、人間も益虫も害虫も皆一緒に養われることを知りました。但し未熟堆肥を土の中へ埋けたら、それこそ作物は病害虫で全滅しますから、未熟なものは土の上へおくことです。 ・土の力というと、こんなこともありましたよ。・・・今年の三月初め、植えておいたキャベツ苗の葉がすっかり小鳥にたべられて、軸だけになっていまいました。農場の若い人たちは引き抜いて捨てようと言いましたが、私はそれを止めました。何もかもが実験ですから―。しっかり堆肥をその横に施し、小鳥追いにキラキラ光るテープと白い糸を張ってすてておきました。もう半ば以上諦めていたのです。四月半ばにいってみると、びっくりしました。キャベツが立派に発育しているのです。そして六月上旬に、見事なキャベツを収穫することが出来ました。やはり土ですね。 ・私たちは山頂で休憩した。・・・「近代農法では人間の力を重視して人間が農作物をつくるという考え方が基礎になっています。これは誤りです。『生命の農法』では、・・・大自然に対する畏敬と感謝の念を基礎にします。・・・大自然の恵みをいただく作法を農作業と考えます。・・・言葉を換えれば、大自然から与えられた植物の生命力を十分に発揮できるように、自然法則に従って植物を助けるのが『生命の農法』です。 具体的には人間の生活で出来る様々の廃棄物とか雑草とか、その他、人間に不要なあらゆる有機物(土から出たもの)を土にしてから土に返すのです。これは生命と生態系という事実を重んずる、たのしい健康な生命尊重の農法です。だから『健康農法』とも『有機農法』とも言います。 ・彼は今、韓国における無農薬有機農法運動の中心人物になり、多くの大学や農業高校の先生方も協力者となっている。その人々が度々慈光会を訪れてくれては、彼の誠実さと謙虚な態度を讃えていた。又、最近、アメリカ、イギリス、フランス、東南アジアからも「生命の農法」を求めて来訪者が多くなってきた。 守人様 ようやく、梁瀬義亮先生の『生命の医と生命の農を求めて』の読み直しはあと一回で終わりそうです。大切にしている本を丁寧に読み返すということは、日常の生活に改めて筋を通し直し、力を与える、大切な日課だと、そう感じています。 ■
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by mukouno-tani
| 2013-06-21 07:54
| 畑と山と食と循環
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拝啓
森の花畑の守人様 6月に入り、庭の薔薇達の蕾が一斉にひらきはじめました。紅と薄桃色の大輪、白、マーブル、黄色の中輪、白のオールドローズのうち、大輪の花は、6年前、私達家族がこの家に越してきた初夏、大繁殖したトクサやヤブガラシやイネ科の雑草に埋もれながら、少し元気なく家の西側の庭ですでに咲いていました。 それから、毎年、春や秋に、背の高くなる雑草やからみつく蔓草を取り除き、落ち葉と一緒に根本に敷き詰めることを繰り返していると、3年目当りから新しい梢が勢いよく伸び、沢山の蕾がつきはじめました。 残念ながら、毛虫に食べられてしまうので、花咲くに至る蕾は数個のみです。薔薇は虫がつきやすく、農薬なしでは育てにくいとよく書かれています。しかし、根元に枯草や落ち葉を丁寧に積むだけで、これほど、樹勢がよくなるのですから、より一層、根の周囲の腐植層をつくり、樹に堅強になってもらい、コンパニオンプランツを研究して植栽し、新芽や蕾へ適時にニンニク唐辛子溶液の塗布などをしてやれば、さらに花をつけてくれるのではないかと思っています。 庭とは、自然と共にある暮らし、土と菌類と微生物と植物と虫と、家族がいきいきと共生するための術を身につける生活空間だと思います。それゆえ、合成化学農薬や化学肥料は使うべきではない、そう考えています。 ![]() 畑もようやく地温があがり、ホウレンソウや小松菜や水菜が採れるようになりました。さやえんどうや胡瓜も花をつけ、小さな実をつけはじめていますが、茄子やトマトはまだ一月先になりそうです。 ここ2年間、家の南側の畑では、手製のコンポストでの刈草や生ごみを使った堆肥づくりと、作った堆肥の苗の株元への十分な投入と、落ち葉や刈草によるマルチを試してきましたが、畑の土の様子は大きく変ってきています。土が鍬を使わずに耕せるほどフカフカになり、生える雑草の種類もハコベや仏の座などやさしいものになってきています。 今年は、これらの経験をふまえ、荒地に近い北西側の畑で2つのことを試しています。 なお、北西側の畑は、粘土質だけど乾くとパサパサになり、白菜やキャベツがほとんど育たず、大根も小さくしか育たないほど痩せています。また、ヤブガラシやコヒルガオやヤブマメやミゾソバが跋扈しており、作物にも絡みつくため、夏などは小豆等の他は育てるのが難しくなるのです。 一つ目の試みは、落ち葉と田んぼの畦の刈草を使った草マルチによる草抑えと土質改良です。 草マルチは、ジャガイモと南瓜の植栽場所で試しています。ジャガイモや南瓜の株の周りに、3月頃、山道の側溝に溜まっていた腐植しかけの落ち葉をしっかり盛り上げ、ジャガイモは畝間、南瓜は蔓の延びそうな場所一面を畦の刈草でカバーしています。 ![]() これまでの経験で、刈草のマルチは、雑草をよく抑え、畑の土の水分をよく保ち、土質をかなりよくすると思います。昨年はカンカン日照りが続くなかでも、ナスやキュウリに一度も水をやらなくてすみました。また、気温の上がる初夏に敷いた草は、翌年の春には半分腐植し、それから徐々に土になっていきます。敷草をめくると、カビが繁茂しており、土をほればミミズが繁殖しており、土は手で掘れるほどフカフカになっていました。敷草はこれら生き物の食べ物にもなり、生きやすい環境をつくるのでしょう。もちろん、スギナやヨモギやギシギシも生えてくるのですが、土がそのような状態になると、根が切れずにすっと抜けるのです。堆肥を施した上に、刈草マルチをすると、草の腐植が早いことも確認しました。きっと、刈草のマルチは、堆肥の中の菌や微生物の生きやすい条件をつくるとともに、徐々に食べ物にもなっていくのではないかと考えています。 刈草は、北西側の畑の隣は田んぼの畦や法面のものを使っています。田んぼは全部で4枚で、合計2反近く面積があり、私の家で米は作っていないのですが、かみさんが田の水の管理と畦・法面の草刈を請け負っています。5月後半から6月前半は、第1回目の草刈で、午前中や夕方の1~2時間、彼女は草刈作業に出動しています。 集落ではこの時期、あちこちで乾いた刈草を畦で燃やしています。このことを、こちらでは「クヨシ」と呼んでいますが、刈草をそのままにしておくと、それを餌とするミミズが湧き、さらにミミズを求めてモグラが来て畦に穴を空けてしまうので、それを防ぐためだそうです。牛を飼っている方は、草を集めて餌として利用されていますが、大部分の方はクヨシされています。こちらの田んぼでも、去年までは、刈草の半分程度は私達が家の南側の畑の草マルチとして使うのですが、あと半分は集めきれずに、クヨシされていました。今年は、その半分を北西側の畑に使うことにしました。 簗瀬義亮先生も書いておられるのですが、草マルチは使うタイミングが重要だと思います。春早く敷きすぎたり、冬に近くなってから敷草を引いたままだと、地温が上がらず野菜の生育を妨げるのではないかと思っています。このことについて、先日、うちで最も草をみている、かみさんが、 「草が伸びる時期が草を敷く時期なのではないかな」といいました。これはその通りではないかと思うのです。草が伸びるということは、植物が成長する時期なのであり、気温や光量や土の中の菌類や微生物の活動状況などが、最もいい時期だと思うのです。 ジャガイモが収穫される7月上旬頃には、一緒に入れた半分腐植した落ち葉が、先に腐植土になっていくと考えており、夏は隣のカボチャを這わせ、秋にはキャベツや白菜の栽培に挑戦してみように思っています。 二つ目の試み、雑草を利用したエダマメや大豆の直播きです。 どうやら、今年はじめて、エダマメや大豆の直播きに成功したようです。これまでの所、雑草に紛れて、子葉が出て、現在、無事に本葉がでてきています。 ![]() 直播きは、南側の畑で、これまでも何度か試みてきたのですが、子葉が出た段階で多分鳥(鼠?)に食べられ、ほとんど失敗してきました。そのとき、一部生き残っていたもの(子葉が食べられずにいたもの)が、既に生えている人参やアスパラガスの根元にコンパニオンプランツとして試しに蒔いたたものでした。 それを見て、このように考えました。「畑を草一本ないようにきれいにした所に豆を蒔くから、でてきた子葉が目立つ(鳥にみつかる)のではないか。豆を植える所以外は耕さないで、草にまぎれて発芽するようにすれば、子葉はみつからないのではないのではないか。きれいに耕さずに済めばずっと楽だし」 そして、6月の頭、次の流れで、エダマメと大豆を直播きしてみました。 ・まず、蒔く予定の場所に生えていたヤブガラシやヤブマメやヨモギの地上部を草刈機で根元近くまで刈りました。豆の芽が雑草に負けないよう、勢いを押さえるためです。 ・次に、豆を蒔く筋だけ耕して、その部分は、雑草の根まで取り除きます。 ・そこに、豆を3粒ずつ植え、今回は、試しにコンパニオンプランツ効果がどの程度あるものだろうかと、従来なら肥えた土地を好むトウモロコシも植えてみています(なお、豆は2粒植えでもいいかなと思っています)。 ・豆から子葉が出るタイミングで、耕さずに地上部だけ刈っておいた雑草から新芽が出てきて、子葉は雑草の新芽に紛れて育ちます。こうすると、鳥や鼠には全く見つかっていないようです。 ・現在、勢いづいてきた周辺の草から、順次、手で引き抜き、豆の成長を妨げないようにしています。これは1週間に1回程度の頻度で、3~4回、片手間にすれば済む程度の作業量です。 より一層、雑草の勢いがつくこれからですが、あと5cm程度、豆が育ったら、ジャガイモと同じく、豆と豆の筋間に、刈草マルチをしたいと考えています。この方法が確立できれば、あまり手間をかけず、雑草を利用しながら、豆を育て、畑に替えていく方法ができるのではないかと思っています。 6月初旬の向こうの谷の畑での新しい取り組みや発見について、書いていましたら、思いもよらず長文になってしまいました。これまで、ときおり読み返し、まとめてきました、梁瀬義亮先生の『生命の医と生命の農を求めて』もあと残り8ページなのですが、このところその作業をなかなか進められないでいます。 すこし、間が空いており申し訳ありませんが、そのご紹介は次のお便りでさせて頂きたいと思います。 ■
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by mukouno-tani
| 2013-06-10 09:28
| 畑と山と食と循環
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