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知人と数年来、小さな化学肥料や農薬を使わない(有機農法や自然農法)菜園づくりの勉強会と実験農園の運営を行っている。この実験農園のためにお借りしていた土地が区画整理にかかり、地元の方にお世話になって新たな土地を借りることになった。
実験農園の引っ越しは、これが最初ではなく2度目である。本当は少なくとも5年以上、同じ土地でやってみないとと土づくりの成果はわからないと思うのだが、土地を借りてやっているので仕方のない。 それだけに、最初に土の状態をきちんと分析して、明確な土づくりの方針を持って農園づくりに臨むことは大切だと痛感するようになった。 新しく借りたのは、昨年まで普通に菜園として使われていた土地。前の使われていた方が事情により菜園づくりができなくなったものを知人の紹介で借り受けた。広さは20m×15m(3a)程度、東側は道路、南側は他の人の菜園、北側は平屋(デーサービス送迎の駐車場兼倉庫)、西側は田んぼである。 ・PH(H2O) 8.0(診断基準値6.0-7.0)・・・非常に土のアルカリ度が高い状態であり、野菜によっては生育障害が出る水準、一般的には石灰の入れ過ぎが原因 ・硝酸態窒素 1.3(診断基準値0.0-4.0)・・・普通の範囲内の数値だが、野菜に必要な窒素分が少し低い状態 ・アンモニア態窒素 0.0(診断基準値0.0-2.0)・・・同上 ・石灰 534.1(診断基準値228-297.6)・・・非常に土壌の中に石灰がある状態。一般的には石灰の入れ過ぎ原因 ・石灰飽和度 153.0(診断基準値75.3)・・・同上 ・腐植 1.6(診断基準値3.0-5.0)・・・腐植は土の体力の様なもので、土中の微生物がこの腐植を分解したものが野菜の栄養になっていくのだが、この腐植が土の中にとても少ない状態。通常、堆肥の投入や緑肥の漉き込み等で増やす。 この数値から想像できるのは、この菜園でのこれまでの土づくりや肥料のやり方は次の様でなかったかということである。 ①ほとんど堆肥や緑肥は使われずに、肥料としては化学肥料が主に使われていた ②石灰が必要量以上に使われていた ③その結果、土の中に腐植がほとんどない状態になり、土が固く、保水力もない状態になっている ④化学肥料のみの施肥になると、虫害もひどくなるので、おそらく農薬も使われていたであろう ちなみに、石灰の過剰投入については多くの家庭菜園にある問題のようだ。次図は、有機農法や自然農法に詳しい知人が見せてくれたある地域の複数の家庭菜園の土壌分析結果だが、多くの家庭菜園のPHは、今回の実験農園の値に近いことがわかる。 このPHの高さの主原因は石灰で、ときおり、毎年のように畑に石灰を播いている話をお聞きするが、大抵の場合、使い過ぎだということがわかる。さらに、石灰の使い過ぎの原因には、チッソ肥料(化学肥料)の連続使用による土の酸性化への対応があったようだ(そういう指導も入っていたかもしれない)。 もう一つ、怖いことは、化学肥料+石灰パターンを続けている限り、肥料代がかかり続ける。また、土の状態が悪くなり野菜の体力がなくなれば虫害もひどくなり、そうすると農薬の使用頻度も多くなる可能性がある。 だいぶ話が広がったが、この土壌分析結果をふまえ、まずは、慣行農法から有機農法や自然農法への移行を主題に、新しい実験農園の土づくりの方針をまとめた。 ①土の改良の方向性 →〇土中の腐植を大幅に増やす、〇PHを減らす 有機農法や自然農法に移行するには土中の腐植を大幅に増やすことが必須である。野菜を化学肥料で栽培する場合、野菜は直根で化学肥料から溶け出した栄養液を吸収するが、有機農法や自然農法の場合は野菜は直根から更に毛細根を出して、微生物等が腐植を分解した結果、生み出す窒素等の養分や土中のミネラルを吸収する。そして、腐植は草や落ち葉を積んで作る草堆肥や堆厩肥を土に入れたり、緑肥を土に漉き込むことで増やすことができる。 ちなみに、化学肥料と有機農法・自然農法で育つ野菜の値は次のようにぜんぜん違う。要は土に腐植が増え、野菜の根がこの様に張って育つようになると、土は柔らかく、保水力が高くなり、野菜は健康になり、お金をかけずに身近な材料で土を肥やせるようになり、長く使い続けられる畑になる。 ②土の改良方法 →3~5年時間をかけて土中の腐植を増やす →お金を掛けずに、刈草や落ち葉やヌカなど身近な材料や緑肥を使って腐植を増やす →落ち葉堆肥を入れる、刈草を積む、緑肥を入れる、マメ科植物を使う等の手段を使う。 →なるべく手間を掛けないで土壌改良を行う このような方針に基づき、実験農園をA~Dの4つの区画に分けて、2017年度はそれぞれ別の方法で土づくりを行うことにした。 A:(草積みパターン)畑の上に30~40cm刈草を積み、秋に腐って半分土になったところで、その上に直接チンゲン菜を植えるを繰り返す B:(緑肥漉き込みパターン)春にソルゴーとクロタラリアを播種して夏に鎌で短く切ったものを畑に漉き込むことを繰り返す C:(大豆と野菜の混植パターン)春に大豆を植え、そのあとにトウモロコシを播種する。大豆は30年無肥料栽培した豆を使用 D:(市販堆厩肥と落ち葉堆肥比較区)畑に全面漉き込みして野菜の発育の仕方の違いを比較する また、経過をまとめていこう。
by mukouno-tani
| 2017-12-20 07:31
| 畑と山と食と循環
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