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最近、家族や仕事の時間の中で色々と考える機会を持ちながら、また、幾つかの本と出会いながらもう一つ、考え至っていることがある。それは『働いて得たお金で必要なもの・サービスを買って使うことと、直接、自分の時間と体を使い、必要なものつくったり・事柄を行ったりすることは等価ではないのではないか』ということだ。
ここに、より考えを進めるため、家族の時間の使われ方についての2つのグラフを作ってみた。 1つ目は、「1日15分子どもの英語の勉強をみる」と「週1回の英語塾に月謝を1万円払ってみてもらう」のグラフ。 1日15分子どもの勉強をみるとかかる時間は月7時間になる。週1回の英語塾に月1万円支払うために時給1500円で働くとしたら月7時間働くことになる。はたしてこれは同じことか。 塾だとどうなるか。もちろん親以上に上手にやる気を引き出しながら指導して下さる可能性は高いし、もしかしたら親身になって学習以外の子ども様子も気遣ったり、1人の大人として色々なことを教えてくれるかもしれない。しかし、塾の目的はあくまで点数の向上だから、点数をとるために必要なテクニカルなこと以外は捨象されることが多いだろうし、「せっかく理解しているのに、ピリオドがついてないと点数がとれないからもったいない」という所に留まることの方が多いと思う。しかし、月謝代を稼ぐために、親は自分で教えるのと同じ程度の時間を使わねばならない。 塾にはお世話にならない方がいい、なんでもかんでも親がやった方がいいと主張している訳ではない。むしろ高学年になればなるほど、他の大人にお世話になった方が格段にいい場面が多いと思う。ただ、子どものために塾にやる→塾にやるためにはお金がいる、お金がいるから働かなくてはならない→働くから子どもとの時間が少なくなる→子どもの様子がわからなくなるという構図を、少し考えながらいこうと思うようになっている。 2つ目は、「ファンヒーター×灯油利用」と「薪ストーブ×薪利用×灯油(ファンヒーター)の補完的利用」のグラフ。 これは向こうの谷の家の場合で1年間のスパンで利用するのに費やす必要な時間を計算してみたものですが、ファンヒーター×灯油利用の場合は36時間、薪ストーブ×薪利用×灯油(ファンヒーター)の補完的利用で45.3時間となりました。これをどう考えればいいか?まずは、計算が少し複雑なので、下記に書き出してみます。 ▶ファンヒーター×灯油利用の場合は1年間の灯油代4.5万円(1ヵ月9千円×5か月)、1年間のファンヒーター減価償却費9000円(2台45000円で5年間使用)として、合計5.4万円を稼ぐには時給1500円で36時間必要という計算です。 ▶薪ストーブ×薪利用×灯油(ファンヒーター)の補完的利用については、向こうの谷の家では私が忙しくて、薪の原木(玉切り前のもの)の量の2/3を購入していること、私の書斎で補完的にファンヒーターを使用している。かかる時間を構成要素別に計算すると次の①~⑥通りになる。 ①薪づくりに必要な時間(原木をチェンソーで玉切、斧で薪割)=15時間(1日0.5時間×30日) ②薪原木入手に必要な時間 1/3 木の伐倒(山手入れ)~玉切 4.5時間(1回1.5時間×3回) 2/3 原木の購入 1.8万円 → 12時間(1.8万円/1500円) ③灯油購入に必要な時間(補完的利用)=3.7時間(年間5600円(1600円@月×3.5月)/1500円) ④薪ストーブ購入・メンテに必要な時間=3時間(約30万円で購入+修理・一部部品取替え5万円で80年(2世代)利用を想定 → 35万円÷80年=1年当り4500円=1年当り3時間(4500円/1500円)。※部品交換など修理は溶接等で自前で行う前提) ⑤チェンソー購入に必要な時間=3.5時間(約6万円で購入、うち薪づくり利用は8割なので薪づくりでの負担は4.8万円。9年間利用を想定→4.8万円÷9=1年当り5300円=1年当り3.5時間(5300円/1500円)) ⑥チェンソー維持・燃料に必要な時間=1年あたり3.7時間 グラフの通り、単純にお金または時間の量を物差に比較すると、ファンヒーターの方がお得ですが、他方、子どもの体験や家族の時間といったことを物差にすると、毎年、向こうの谷にある、山の樹を倒し、薪にして、燃やして暖をとるプロセスには、灯油を購入しファンヒーターを使用する形態では得ることのできないものが沢山あると思う(そしてこれらの事柄は、薪ストーブという道具だからではなく、山から燃料をとり、家で使用するという生活環境の中で発生ししているように思う)。 例えば、手が足りないので、今年から長男に割った薪を積むことをしてもらっているが、「真剣に崩れないように積まないと崩れたとき近くに子どもがいれば大変なことになるよ」と言われ、長方形でない薪を安定して組もうと懸命になる。また、写真の後ろ側の薪積みは長男坊の最初の作ですが、この後、「薪積みの端が斜めだとトタンでで屋根を掛けても端から濡れて、肝心の冬に使えなくなるでしょ」と注意されている。 例えば、私自身も、樹を倒し、玉切りするためにケガをしないように注意することや、チェンソーのメンテや刃とぎ等の技術を身に付けていくし、その作業を通じて緊張して物事に臨むことが強化されているように感じる。そして、私がこの手の作業をしているときには子ども達は近づいてこない。「樹を倒したり、チェンソーのような道具を使っているときは、予想できないことが起きるから、絶対に近づくな、話しかけるのは作業が止まったのを確認してからにしろ」と、何度も強くいわれているからだ。彼らはきっと、同類の場面に遭遇すると、無意識に同様の注意をするのではないかと思っている。 そして、これらのやりとりが日常的に、向こうの谷の私たち親子の間にある。また、その場面の中で私達親は子どもが何がきちんとできるようになって何ができていないか確認することなる、また、子ども達も私達親の作業をみることになる。少し例に挙げてみるだけでも、これだけのことがある。 (なお、薪ストーブは万人向けの道具ではないと考えている。薪ストーブの利用を始めた理由の中でも書きましたが、基本的に家族の中に体力のある男性がいて、かつそれを使用する環境と自分でリスク管理する責任と技術がないと使用できないものだと考えている。そして、それにも関わらず”山から燃料をとり、家で使用するという生活環境”が大切なのだとすれば、我々はより使い勝手のよい道具の選択をすべきだと考えている。そのような道具として期待できるのは、例えばキッチンロケットストーブです。まだ途上で、暖房も含め日常生活の中に取り込むためにはさらなる道具としてのブラッシュアップが必要だと考えるが、例えば、焚き火小屋の管理人さん実際にこれを毎日使用されて、新たな形の素敵な暮らしが展開されている。私達も少しずつその方向に更に舵を切っていきたいと思っている。) 2つの小さな例に過ぎないが、こういう風に具体的に考えすすめていくと、最初の問、『働いて得たお金で必要なもの・サービスを買って使うことと、直接、自分の時と体を使い、必要なものつくったり・事柄を行ったりすることは等価ではないのではないか』という問に対し、今後、私がやっていくべきことは、「あたり前にお金を払って購入している沢山の事柄を、とりあえず自分(達)の時間と体を使って作ったり・行ったりすることに置き換えてみて、そこで私と家族に起きることを確認してみること」なののだと再確認した。このことも、引き続き試行錯誤と整理を進め、時折、まとめていきたいと考えている。 (修正しながら、続けて書く)
by mukouno-tani
| 2017-06-15 22:42
| 子育ちと環境
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