カテゴリ
全体 家と庭 畑と山と食と循環 子育ちと環境 向こうの谷 野研ノート(家族) 野研ノート(地域) 野研ノート(デザイン) 野研ノート(社会) 野外体験産業研究会(活動) 野研ノート(ライフヒストリー) フィールドノート 生きる 働く 森の道を歩きながら 暮らしと時間 鍛錬と育ち 未分類 最新の記事
以前の記事
2021年 06月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2018年 02月 2017年 12月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 04月 2015年 12月 2015年 09月 2015年 07月 2015年 03月 2015年 01月 2014年 09月 2014年 06月 2014年 04月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 05月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 タグ
フォロー中のブログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2011年1月第4週週末
畑の上の雪1m超。 少し寒さが緩んだと思ったら、風呂の水道管が破裂。どうも凍るときよりも、解けるときの方が管に負荷がかかるらしい。とりあえず元栓を閉めたあと、破裂した部分を切除し、元栓側に仮蓋をして水を止める応急処置。 また寒波が来るらしいので、今日中に水道管をつなぎ直してしまおう。 うちの畑では、春にハコベが茂ったあと、夏になるとイネ科の植物とともにスベリヒユがあちこちに生える。 この植物はハコベほど爆発的な繁殖力はないが、とても生命力が強く、抜いて天地を返して、根が土につかないようにして1週間ほどおいても何かの拍子に根が土につけば再生する。 先日、石牟礼道子氏の、天草・島原の乱を描いた「アニマの鳥」を読んでいると、ここにスベリヒユが出てくる。 同氏は「椿の海の記」にもご自身の経験に基づき、水俣、天草の、海や山や木や草と深く関わるを暮らしを描いているが、それは天草・島原の乱のあった、江戸時代前期以前から高度経済成長期初期まで、その地の暮らしの中に普通にあったものなのだろう。 「さきほど庭先から引き抜いておいたスベリヒユを、選り分けにかかった。野草の一種で日でりに強い。茹でれば淡い桃色のねばりけのある汁が出るけれども、味噌で和えれば美味である。手をかけて植えなくとも、庭であろうが畑であろう野放図に散りひろがって成長し、畑の青物がなくなる頃に重宝する。」(p86) 「かよの里では、盆の十五日には、わざわざこの草の味噌和えを作って仏様に供える。夏大根も乾きあがった土の上で根を太らす前に芯切り虫にやられてしまい、ちじこまって、汁の実にさえ足りなくなっているだけに、スベリヒユが丈夫でいてくれるのが有難かった。」(p86) 「日でりの年は、この草とアシタバとがまず命綱じゃ、とかよは思う。それは祖母のおふじの口癖であった。スベリヒユは葉っぱのつけ根に、けし粒ほどの小さな黒い種が入った容れものをつけている。それを地面に向けてこぼすような気持ちで引き抜く。そうしておけば、来年の夏また、あちこちにはびこってくる。」(p86) どうやら私(達)は、スベリヒユを枯らすつもりで、引っこ抜き天地返していたが、一生懸命繁殖させていたらしい。スベリヒユを焼肉の際、一緒に焼いて頂くという知人がいるので、食べれることは知っていたが、更に諸々調べてみる。 以下、資料から調べたものであり、春になってから畑や台所で確認するつもり。 <植物として> 学名 Portulaca oleacea スベリヒユ科の一年草。 全世界の温帯から熱帯にかけて広く 分布している。一年草で高さは10~30cm、花期は7月~9月。乾燥耐性があり、畑や路傍など日当たりの良い所に自生。花卉園芸用に育種された品種にポーチュラカ(ハナスベリヒユ)、野菜として育種された品種にタチスベリヒユ(オオスベリヒユ)があり、後者はフランス、ドイツ、オランダ、ベトナム、華南地方、トルコ、ギリシャなどで野菜として栽培される。 <食べ方> アク、エグミが少なく食べやすい野草。つぶしたり、火を通すとヌメリが出て独特の食感になり、生だとやや酸味がある。煮ると色が悪くなるが食味には問題はない。ビタミンB、マグネシウム、鉄分に富む。 根を取り除いて水洗いし、熱湯で茹でる(茹でが足りないと青臭さが残る、さっと茹でる位がおいしいなど諸説あり)。ゆでたものに、鰹節をかけ、醤油、生姜醤油、ニンニク醤油、からし醤油、酢醤油など食べる。ビールによく合うとのこと。その他、酢味噌あえ、ゴマ和え、小さく切って納豆和えもいいとのこと。 その他、短冊にきってトマトなど他の野菜と一緒にドレッシング・オリーブオイルで和えて生食、肉と一緒に炒め物、かゆや味噌汁にいれて食べてもよいとのことである。 トルコでの料理の仕方は、次の様な感じ。 スベリヒユのおろしニンニクヨーグルト和え Yoğurtlu Semizotu) スベリヒユのオリーブ油煮 Zeytinyağlı Semizotu <薬効> 夏に採取して、日干しして乾燥したものを馬歯莧(ばしけん)といい、 利尿作用があり、膀胱炎にもきくとのこと 毒虫などの虫刺され、かゆみ、腫物などには、生の葉を洗いつぶして、汁を塗布するとのこと <コンパニオンプランツとして> アブラナ科の野菜全般と相性がよいとのこと。 また、スベリヒユは肥料が土の中に多く残る畑に生えるとのことで、残肥のバロメーターになるとのこと。 スベリヒユは1株から1万粒もの種を飛ばすそうで、道理で湧くように畑に生えるはずである。 なぜこの様な有用な植物が畑の敵とみなされるようになったのかは、雑草考 ハコベで考えてみたので、また見解を新たにすることがあったら更新することとする。 「すみそにてさしみとす。また実をとりて、畑に植えるべし、肥地に生じたるは、やはらかにして、味よし」 筑前国福岡藩士、江戸前期(寛永~正徳)の本草学者、儒学者である貝原益軒がこう書いているそうである。また、江戸時代中期(寛延~文政)、米沢藩再興の人といわれる上杉鷹山もスベリヒユの栽培を奨励したそうである。あくまで”感じ”であるが、益軒や鷹山は飢饉時の代替作物ではなくて、生活者としてその有用性を再確認していたのではないかと思う。
by mukouno-tani
| 2011-01-23 08:34
| 畑と山と食と循環
|
ファン申請 |
||